住宅会社や工務店のホームページにとって、施工事例は大きな財産です。
完成した住宅を紹介することは、自社の技術力やデザイン力を伝えるだけでなく、検索から新しいお客様と出会うきっかけにもなります。
私は以前、住宅会社で約9年間、ホームページの運営やSEO対策に携わり、数多くの施工事例やブログ記事を掲載してきました。
その中で実感したのは、施工事例には、こちらが予想していなかった検索ニーズを拾う力があるということです。
そして、実際に施工事例を見たお客様から「あの施工例みたいにしてください」と依頼されることもありました。
今回は、住宅会社の施工事例をWeb集客に活かすための考え方を、実務経験を交えながら紹介します。
一棟の住宅には、さまざまな検索キーワードが隠れている
家づくりを考えている人は、それぞれ異なる希望を持っています。
例えば、無垢フローリングを使いたい人、収納を充実させたい人、吹き抜けのあるリビングに憧れている人。
中には、二重玄関のような少し珍しい仕様について調べている人もいます。
住宅会社の施工事例には、こうした具体的な希望に応える情報が詰まっています。
一棟の住宅でも、床材、間取り、窓、収納、外観、住宅設備など、紹介できる特徴はたくさんあります。
それぞれの特徴が、異なる検索ニーズとの接点になる可能性があります。
私が施工事例を掲載していた頃は、住宅の特徴を自然に紹介することを重視していました。
こちらが想定していない言葉で検索する人もいるだろうと考えていたからです。
さまざまな特徴を持つ住宅の情報を積み重ねることで、幅広い検索ニーズに対応できる可能性が生まれます。
施工事例とブログは、役割を分けて考える
当時、検索キーワードを意識したSEO対策は、主にブログ記事で行っていました。
例えば、家づくりに関する疑問や住宅設備の使い方、工事に関する情報など、検索されるテーマを考えて記事を制作します。
施工事例では、完成した住宅の魅力や特徴を伝えることを中心にしていました。
この2つは、それぞれ異なる役割を持っています。
ブログ記事は、検索している人の疑問に答える。
施工事例は、実際にどんな家づくりができるのかを伝える。
施工事例からも検索流入が期待できますし、ブログ記事を読んで施工事例に興味を持ってもらうこともできます。
例えば、無垢フローリングの特徴について調べている人が、ブログ記事から実際に無垢材を使った住宅の施工事例を見る。
そこで「こんな家にしたい」と思ってもらえたら、情報収集から住宅会社の比較検討へと進むきっかけになります。
こうしたコンテンツ同士のつながりを作ることも、ホームページの大切な役割です。
施工事例は、検索順位以上に「選ばれる理由」になる
住宅会社の施工事例には、検索流入に加えて、もう一つ大きな役割があります。
それは、見込み客の希望を具体化することです。
住宅は、完成するまで実物を確認することが難しい商品です。
だからこそ、過去の施工事例は、その会社にどんな家づくりを依頼できるのかを判断する重要な材料になります。
最初にも書きましたが、実際に住宅会社でWeb運営をしていた頃、掲載した施工事例を見て「あの施工例のようにしてください」という依頼が入ることがありました。
これは施工事例が、お客様の希望を形にする参考資料として使われていたということです。
施工事例を見て、好みのデザインや間取りを見つける。
その住宅を施工した会社に興味を持つ。
そして、自分たちの家づくりについて相談する。
こうした流れを考えると、施工事例の価値は、アクセス数や検索順位に加えて、実際の問い合わせや商談からも評価できます。
施工事例そのものが、住宅会社の営業活動を支えるコンテンツになるのです。
写真の美しさと、住宅の特徴が伝わる情報
住宅会社のホームページでは、写真の品質も重要です。
住宅の魅力を伝えるには、空間の広がりや素材の質感、光の入り方などが分かる写真が役立ちます。
そのうえで、写真と一緒に住宅の特徴や工夫を文章で紹介すると、より具体的な情報になります。
例えば、無垢フローリングを使用した住宅なら、木材の種類や採用した理由、空間全体との調和などを紹介できます。
収納に特徴がある住宅なら、どのような暮らし方を考えて設計されたのかを説明することもできるでしょう。
Googleも画像の内容を理解するために、画像周辺の文章や代替テキストなどを利用しています。
そのため、施工写真と関連する説明文を適切に組み合わせることは、検索エンジンに情報を伝えるうえでも役立ちます。
住宅の特徴は、実際の家づくりに沿って自然に紹介するのが基本です。
その住宅ならではの情報を、見ている人に分かりやすく伝えていきましょう。
施工事例を継続して蓄積するために
施工事例の更新を続けるには、社内にある情報を上手に集めることも大切です。
私自身、記事のテーマや内容を考えるために、営業担当者に話を聞くことがありました。
お客様と接している営業担当者や、施工に携わるスタッフの話を聞くことで、住宅の特徴や工夫をより具体的に紹介できます。
施工事例を掲載するときには、例えば次のような情報を整理すると役立ちます。
- 住宅の基本情報:新築・建て替え・リフォームなどの工事内容、公開可能な施工地域
- 住宅の特徴:使用した素材、間取り、設備、デザインなど
- お客様の希望:どのような暮らしを実現したかったのか
- 設計・施工上の工夫:希望を実現するために、どんな工夫をしたのか
- 写真:住宅全体の魅力と、個別の特徴が伝わるもの
住宅ごとの特徴に合わせて、掲載する情報にもメリハリをつけるとよいでしょう。
その住宅の魅力が伝わる情報を集め、継続して公開できる運用を考えることが重要です。
お客様の個人情報や公開範囲についても、事前に確認しておきましょう。
施工事例の成果をどう確認するか
施工事例の活用を進めるなら、公開後の反応も確認していきたいところです。
Google Search Consoleでは、施工事例がどのような検索語句で表示され、クリックされているのかを確認できます。
また、GA4などを活用すれば、施工事例がどの程度閲覧されているか、そこから問い合わせページへ移動しているかなども分析できます。
さらに、問い合わせや商談の際に、参考にしたページや気に入った施工事例を聞くと、アクセス解析では捉えきれない情報も得られます。
検索データと、お客様から直接聞く情報。
この両方を組み合わせることで、施工事例が集客にどのように役立っているかを、より具体的に把握できます。
施工事例を、長く活用できるWeb資産に
住宅会社には、日々の家づくりを通じて蓄積される豊富な情報があります。
完成した住宅の写真、使用した建材、設計の工夫、お客様の希望を実現した経験。
それらを丁寧に整理して公開することで、施工事例は会社の魅力を伝えるコンテンツになります。
さらに、検索ニーズに応えるブログ記事や、地域に合わせた情報発信と組み合わせることで、新しいお客様との接点を増やしていくことも期待できます。
ホームページに掲載された情報は、これから住宅会社を探す人にも、すでにその会社を検討している人にも役立ちます。
施工事例を一つひとつ蓄積していくことは、住宅会社のWeb集客を育てるための、価値ある取り組みだと思います。
住宅会社・工務店のWeb集客について
まねきねこ企画では、住宅会社で約9年間Web運営に携わった経験を活かし、企業のホームページ活用やWeb集客を支援しています。
SEOを意識したコンテンツ企画、既存ホームページの改善、Web集客の導線設計、継続的な運用支援など、ご相談いただけます。







